月刊パラレログラム

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備忘録を兼ねて、映画の感想など。

ほしとんでの隼先輩を推していますという記事

※タイトルのとおり、以降『ほしとんで』の隼先輩が最高すぎるんだよなという話しかしませんのでどうぞよろしくお願いします。

皆さんご存じの俳句ゼミ漫画『ほしとんで』、文学部出身の私としては心臓をかきむしられるくらいの学術的空間への郷愁と「あの時もっと真剣に勉強しておけばよかったなァ」という後悔をかき立てられるとんでもなく良い漫画なのですが、それに出てくる隼(じゅん)先輩がとても素晴らしいので、私の考える彼の素晴らしポイントを以下に列記します。この記事は私の「なんなんこの人!?」というエモーションの吐け口ですが、あわよくば、既読の方の共感と、未読の方の興味を得られれば幸いです。

 

①口調が変

主人公流星くんの所属している、1年生のみで構成されたゆったりのほほん俳句ゼミに2巻で突如乱入してくる高圧的で口調がきつくて普通に怖いひとつ上の先輩、それが隼先輩です。いや文学部にこんな怖い人いるかな!?と思いますが、単に私のいた文学部がのほほん空間すぎたのでそう思うだけかもしれない。別に私は隼先輩の高圧的なところを最高!とは思わないんですけど(普通に怖いから)、メタ的で嫌な見方をしたら彼の存在にはおそらく「俳句のこんなことも知らないで授業進めるの?」みたいな攻撃的知識人層の読者(?)の矛先を逸らす目的があり、そのためかとにかく勢いがいいので、江戸っ子なんだかなんなんだかよくわからん口調なのである。「そんな寝言ほざいたなァどちらさんかな!?」とか言いますからね。いややっぱりこんな人いなくない!?

しかし記念すべき初登場一発目の台詞が「こんにちは」であることからもおわかりのとおり、隼先輩は挨拶がちゃんとできます。あと後輩を「君ら」って言ったりする(けど「お前」とも言う)。そしてこのキャラとこの強めテンションなのに立ち位置がツッコミ寄り。

ところで私の中の隼先輩ベスト台詞は、自分の同期とのゼミの際に、遠隔参加の人と通話しているスマホがめちゃくちゃ絢爛で宗教色の強いスマホスタンドに置かれているのを見たときの「死んじゃったみてーになってんじゃんよォ」です。「死んじゃった」ってなんだよ可愛いな。同期といるときの、ビビられておらずむしろちょっとディスられてる普通に大学生ぽい隼先輩、すごく良いんですよね…

②好きなものが好きであることに躊躇がない

読んでいるこっちがちょっと引くくらいゼミの先生である坂本先生に心底ほれ込んでいる俳句大好き隼先輩はその「好き」の表明にまったく躊躇いがありません。先生に会えば一番弟子にしてください!と毎回断られているのに突撃するし、自分の句を作中何度褒められても一度も照れず、常に堂々としている。私は重度の共感性羞恥持ちなので照れない人に弱いんです…(個人的事情…)いやでも格好いいでしょうこのスタンス…

隼先輩本人の「つーか好きなら堂々と言えや 感情をためらうなよ」という台詞が最も端的にこのありかたを示しています。名台詞過ぎませんか。待ち受けにしたい。ちなみにこれだけ読むとコイバナの最中みたいですが句会での発言なので俳句の話です。

②字がきれい

句会シーンではっきり書き文字が示されている(読者はそれだけで「へー隼先輩って字が上手いんだー」ってちゃんとわかる)のに、わざわざ台詞でも「ねえ見てちょうだい隼先輩の達筆さ」と念を押されるほどのきれいぶり。挨拶100点ぶりといい字といい何なのか。

③左利きである

左利きなんですよ!!!私左利きの人大好き!!!

④バンドやってる

服選ぶのがめんどくさくて年がら年中スーツ着てる頭もさもさで俳句がうまくてゼミの先生にぞっこんLOVEの文学青年隼先輩ですがバンドをやっています。推定ボーカル。何それ!?

外見ソースのひとつとしてまず間違いなくエレカシ宮本さんの影響が見られる隼先輩ですが、バンド名「クラーケン・イン・ザ・シティ」の方はブランキージェットシティのオマージュではないかと思います。大学生バンドで本人写真の宣伝ポスター(しかも隼先輩がピンで真ん中に突っ立っているだけ)作ってるのってなかなかじゃないですか…?

チケットは凄い余ってるっぽいんですけど、坂本先生が聴きに行くくらいなので聴くに堪えないとかそういう感じではないのではないかと推察されます(しかし演奏シーンは一切ないので推察の域を出ません)。俳句と字と歌が上手いの…?何それ…?絶対作詞もしてるじゃん…

⑤乳幼児と交流する

1年生ゼミが真夏の鎌倉に初の吟行に行く際、ゼミ生みどりさんの子どもひばりさんの運搬要員として登場した隼先輩ですが、この吟行の最中、ひばりさんの帽子を取って頭を風に当ててあげているシーン(台詞なしコマ)があります。尊。純粋に尊。

隼先輩、結局最後までひばりさんにデレデレしたりしないんですが(「何かが芽生えかけたわ」という発言止まり)、乳児~幼児期ゆえの無邪気さでちょっかいかけてくるひばりさんに「見ないでよォ」とか「ちぎっていいョ」とか普通の感じで話すのが可愛いなって思うんですよね…はたちすぎ(推定)と小さい子の交流…かわい…

あと最終巻における最終登場コマ(除くおまけページ)で、ほぼ画面外ですが、寝起きのひばりさんとちゃんと手を振ってバイバイしています。かわいいかよ!!!

 

隼先輩のこと抜きでも(いや抜きようがないんですけど)本当に面白い漫画ですので、お勧めします、『ほしとんで』。わりと似た感じのゼミにいたんですが、もう一度こういう空間に行きたいなあと読むたびに思います。
いやでもこんな綺麗にまとめようとしている場合じゃない、何はさておき隼先輩なんですよ。ほんとに好き。隼先輩永遠なれ。