月刊パラレログラム

月刊パラレログラム

備忘録を兼ねて、映画の感想など。

ルパン三世PART6全話の感想を書く

※各話のネタバレがあります。

PART4から始めた履修マラソン、ついに最新シーズンです。次元好き(でも一味箱推し)が書いています。
言いたいことを言っていますが、全体的に楽しく見ました。
※覚え書き代わりなので盛大にネタバレしています。とはいえ、そのわりに筋の話をあまりしていません。
※文中の「新ル」は2ndシーズン(ルパンが赤のジャケット)を指します。

000:EPISODE 0 -時代-

コバキヨ次元引退回
50年の歴史に対して私ごときが語ったり総括したりことなど何もない、よってこの話に真面目な感想を書くことはできないししないんですが、本筋を離れたことを言うと信じられないくらいジゲフジでしたね。ここで!?コバキヨ最終話で!?
「これからは私と組んでみない?(中略)何なら試し撃ちでも…」とか意味深すぎて何が起きてるのかと思いました。「試し撃ち」がジゲフジ界の隠語になったりしそう。
あと、トルネイドがかかったときに、「と、トルネイド~~~!!!(語彙力ゼロ)」ってなりました。と、トルネイド~~~!!!(涙)大野先生、本当に本当に今更ですけど、こんなに格好いい曲を次元大介に書いてくれてありがとう…。
次元について「あんな男ひとりになにができるんですか!」とか言ってたモブ警察官はとりあえずPART5の第23話見てから出直してきてください。

001:シャーロック・ホームズ登場

唐突に始まるホームズ対アルベールのイケボバトルレペゼングレートブリテン。第1話なのにルパン一味をなかなか出さないのが挑戦的~!大塚次元はたぶん全部足しても10秒くらいしか喋ってないよ!とはいえこれには「新しい声にじわじわと慣れてほしい」的な配慮もあると思います。
とにかく五ェ門の再登場シーンが最高にかっこよかった。何あの作画。全員気になったであろうゾイドっぽいCGの車は私もばりばり気になりましたが、たぶんそのうち慣れます。
今だかつて、シャーロック・ホームズの名前を背負ったキャラでこんなに社会性のある人がいただろうか。絶対コカインやってなさそう。バイオリンは弾けそう。
EDが、PART4か5っぽい不二子の顔も演出も曲もめちゃめちゃかわいくてとても好きです。

002:探偵と悪党

次元が不満げに「け!」って言ってるとものすごく次元みがあふれて超安心しますね!何この感情?
前シーズンあれだけファム・ファタールだった(※単発話を除く)不二子が一味に違和感ゼロで馴染んでる上にキャラデザもあいまってこう…夏休みに実家で親戚のおじさんやいとことだらだらしてる女子大生みたいでよいですね…そんなとこ(谷間)にポスター突っ込んだらべこべこになっちゃうんじゃないかな…。
五ェ門抜刀シーンの作画が相変わらず神がかっている。毎話抜刀してほしい。

003:大陸横断鉄道(嘘)の冒険

なんていいタイトルなんでしょう。(偽)とか(?)とかじゃなくて(嘘)。
銭形に見つかったときに次元と一緒に「フラ~イパンなら向こ~う」という謎の発言で誤魔化す五ェ門の変顔と変声、夢に見そう。
いや、ていうか、あの、シリーズ開始前に公開された「相棒と呼べる仲間がいますか?俺にはいるぜ!」トレイラーにおけるものすごくいい声の次元の台詞「相棒、出番だぜ」がこの話からのサンプリングだったんですが、この「相棒」がルパンじゃなくてマグナムだなんて誰が思いました…?嘘だろ…?こちとらあれでエモーション直撃されて泣いてたんだぞ!!!(参考記事
線路に縛られたクラシックメイド不二子が超えっちでたじろぐ。何かの扉が開きそう(性癖的な意味で)。ルパンにまだ生きてたか~と聞かれたときの「もうすぐ死ぬわよ!!(爆切れ)」がソーキュート。
しかし、なんか、PART6の次元と不二子やたら仲良くないですか。
第0話:不二子「何なら試し撃ち(意味深)でも…」次元「お前がいい女だってことはわかる」
第1話:当たり前のようにバイク2人乗り
第3話:不二子、笑顔で次元に命を預ける
まだ計4話しかないのにペース配分がおかしい。

004:ダイナーの殺し屋たち

押井守脚本回。
カウンター席のふたりのうち、後ろから見て左側の人の声と話し方が超好みで声優さん誰だろ~?とエンドロール確認したら「殺し屋①」~「殺し屋⑧」の表示しかなくて何番やねん!となりました(①でした)。語尾の上げ方というか、抜き方が癖になる。
前半がもうほんと押井守すぎて(もしくはヘミングウェイオマージュすぎて)全くルパン三世じゃないんですけど超面白かったので、もう後編も含めて全編ルパン三世じゃなくていいのになと思いました。それもどうなのか。ちょっと今から前半もう一回見てきます。
――いやちょっと待って(見てきた)後半が蛇足っぽいのはキーとなる小説「The Killers」の後半が付け足されたという逸話に合わせてるのかな…!?前半最後の次元の台詞(「あのそばかすの姉ちゃんから、居場所を聞き出すさ」)で終わってもわりときれいな話になるし、逆に後半の展開(そばかすの姉ちゃんは偽物で居場所は聞き出せない)を踏まえると、その台詞は不要ですもんね…?エッやりたい放題すぎないか…!?(ほめています)
<追記>「The Killers」を確認したら本当にアニメの前後半と小説の前後半の位置が一致していたので、やっぱりわざと前半だけでも成立するようにしたんだと思われます。とんでもないな押井守

005:帝都は泥棒の夢を見る 前篇

江戸川乱歩回。ワンピースで言うところのグランドジパング編。AUもの同人誌だ!!という感想が喉から出そうなのを飲み下しまくりながら頑張りました。
当たっちゃったら話が終わるような人(ホームズとルパン)ばっかり撃ってるのが悪いんですけど、PART6の次元(含・次元ぽい人)、銃の腕悪くないですか…バンバン撃って一発も当たらなすぎじゃないですか…。そして別人不二子には秒で適応するのに別人次元にいちいち寂しそうにしんみりするルパンはなんなんだ。やっぱりAUもの同人誌なの?
サラントヤちゃんを転生前五ェ門だと思って見てたら全然違いました。だってひとりだけ全然出てこないから!てっきり!
この話、ルパンもタイムスリッパーじゃなくて黄金仮面そのものということにして、IFもの完全パラレルストーリーにしたほうがよかったんじゃないかなー。そのほうが「でも銭形/不二子/次元じゃないんでしょ?」と思いながら見ないで済むような気がするんですが。それかせめて名字を揃えてルパン8世式ご先祖様物語にするとか。

006:帝都は泥棒の夢を見る 後篇

次元(じゃない人)の上司への耳打ちのしかたが凄く…軍人ぽくていいですね…などと思ったりはするものの結局は他人なので、相変わらずこの話をどう受け止めていいのかがわからなくて大変だよ!助けて五ェ門!五ェ門見てると安心する!ところでついさっきがっつり頭撃たれてたのになにごともなかったみたいになってるけど大丈夫!?
次元じゃない人こと本郷少佐、満を持して大見得切って名を名乗るんですけどいやいや名乗られたところで知らねえわ誰だよ!!と思ってたら本郷義昭さんが大活躍する実在の小説(作/山中峯太郎)があるんですね…つまり明智小五郎や黒蜥蜴と同じ枠だったと…。コンテクストの要求水準が高すぎない?この2話とヘミングウェイ押井守回が並んでるの、構成ミスじゃない?オタクしか喜ばなくない?
いや大変だった 恥ずかしかった 共感性羞恥がえぐかった

007:語られざる事件

忘れかけていたメインストーリー、ホームズ編。個人的には単発話大好きなので忘れかけるくらいでオッケーです。
ルパンの「俺は全てを知っているが、語るのは今じゃねえ…」的な意味深はぐらかし顔見てると、カリオストロ次元つれてきて例の「ひとりでかっこつけて悩むんじゃねえ」サブミッション決めてほしくなりますね。ほら!!言え!!!
追撃するでも逃走するでもなく、長い長い身の上話が終わるまで墓場で一晩中待っててくれるモラン大佐優しすぎるな。
だいたいの視聴者が「たぶんこうだろうな」と思っていたとおりのこと(ルパンはワトソンを殺していない、殺したのはレイブン)をものすごくストレートに説明されて終わったので「ミステリー(第1クールのテーマ)はどこに!?」と驚愕しました。「この男、悪人か、ヒーローか」(煽り文)とか「俺は悪党だ。嘘だって平気で言うし、人だって殺すぜ」(第2話)とか何だったの!?
次回予告で「頼りになるのはただひとり」ってナレーションとともににんまり笑う次元がかなりよかった。

008:ラスト・ブレット

世界中の港に決着のついていない因縁の相手が待っている男、次元大介メイン回。
序盤のルパンの「少女誘拐とは、ほっとけないねェ」がドスきいててかっこいいです。
11歳のキッズに密室(車内)でめちゃくちゃ人生訓をたれてくるガンマンこわい。ガンマンってのは生き方なんだ…今にわかる…じゃないよ!一般人は多分そういうの一生わからないよ!
あらあらまた銃を相棒呼びしながらキスしたわ~1$マネーウォーズじゃん~とかのんきに思ってたらとんでもないこと(マグナム大破)になったんですけど、そ、それはいいんですか?グリップ以外ほとんどふっとんでから修理されたその銃は本当に長年連れ添った相棒ですか(テセウスの船問題)?弱い弾じゃ防弾チョッキ貫通できないとしても、脳天撃てばよくない??
そして11歳キッズは車内教育の甲斐あって最終的にはばりばり中二病を発動するのだった。いいのか?よくない!何この話!

009:漆黒のダイヤモンド

クラーケンに乗ってブラジルにやってくる五ェ門で、何もかも(例:そんなパイレーツオブカリビアンみたいな装いの海賊はその時代にはいないだろとか)どうでもよくなりました。細かいことはいいんだ!というその勢いやよし。
ルパンと次元の現在の住環境がわかります。1階とロフトにそれぞれベッド置いてるの、成人男性の妥協的プライベートスペースの取り方って感じでやたらリアル。カップ麺と空き瓶の感じとかもふくめ、PART4や5に比べると生活感があるかんじですね。
しかしパート6のルパン何も盗まないな。こけしさえ盗まない。

010:ダーウィンの鳥

幻の押井監督による劇場版ルパンについてはWikipediaに書いてあることくらいしか知らないんですが、こういう形で供養できたなら本当によかったね…という気持ちといやこっっわ!!!という気持ちが半々というところです。でもこういう不条理なアニメを突然夜中に見ちゃってトラウマになるのも人生において大事ですよね。私は大友克洋のMEMORIESでそうなりました。
世界が小刻みにループし始めたあたりですごくぞくぞくしました。ルパンの作画がずっと残念だったのはあのげたげた笑うクライマックスシーンのための伏線だったのかな!
面白いな~!という回では全然ないんですが、このくらい持ち味が出てこそ脚本家を外注する意味があると思います。とくに押井監督には、こういうテイストが見たくて頼んだに決まってるし。全力で応えてくれてありがとう監督。ところで監督はどうしてかたくなに五ェ門出してくれないんですか?

011:真実とワタリガラス

「ただいま」って言って帰ってくる五ェ門がかわい過ぎるな…イントネーションも只今とかじゃなくて完全にただいま…かわ…
ホームズとレストレードの話し方が至極似ている(ちなみにアルベールとも似ている)のは、これが当代の二枚目の話し方のトレンドだからなのだろうか。語尾が吐息混じりになるというか。

012:英国の亡霊

ちょっと待って、冒頭シーン、セントジェームズパークで敵味方同士(ルパンとアルベール)がたまたまベンチ隣り合った体で打合せしてません!?つまり概念としてはグッドオーメンズ!!?
ルパンでもホームズでもないリリーの知り合いの成人男性がひとりしかいない時点でワトソン殺しの犯人はお察しもいいところだったんですが、「ラスト・ブレット」での一旦自分の本物の部下を派遣→別の手を回して殺し屋をその部下と入れ換わらせる、の二度手間は何だったんでしょうか。最初から殺し屋派遣したらよかったじゃないか。
まあでもたいした話数も割いてないので(みもふたもない)、別にメインストーリーがようわからん話でも個人的にはオッケーです。ホームズにやられたショックで修行までしてきた五ェ門がいつもの車切断と不発弾コロコロと一言解説しただけで出番終わったのはかなり可哀そうでしたけども…。バリツは一体どうしたんだ。
<追記>いやちょっと待て…「LupinIII vs. Holmes」シリーズなのに…第2話以外…対決してなくない…!?

013:過去からの招待状

次元がランチパスタに添えるためにわざわざタコさんウインナー作る上にごま(?)で目まで付けるということがわかるたいへん貴重な回です。たぶんほんとに暇かつトランプが弱い上に凝り性なんだと思う。意味深はぐらかしシーンのたびに待ち望んでいたカリオストロサブミッションが特に意味深ではないシーンで見られますが、健康的な顔色のPART6ルパンと絡み合ってるとPART6次元ほんとに血色悪いな!
同じことばっかり言ってて恐縮ですが、不二子が普通にアジトにいたり当たり前のように自分を頭数にいれて「全員揃ってない」って言い出したりするのがいちいち嬉しいのと、ルパンの顔面に本気のえぐりこむようなグーパンするのがおもろくてよかったですね。令和の不二子はピンクが好きでもビンタとかしない。ここまで書いておいてあれですが私は一味と一線を引いた魔性の不二子も好きです、が、いずれにせよ不二子には三人に対し気安い感じでいてほしいんです…PART5のトラウマが深いな…?
五ェ門が日々修行にはげんでるのにも関わらずすごい撫で肩なところ推せるわ~と眺めていて気づいたんですが、2クール目に入ってキャラデザ変わりました?単なる作画ブレの可能性もありますが、PART4・5の横堀ルパンに戻ったというか、ルパンがちょっとかわいくなって次元が痩せて口の横の謎の線なくなりましたね?好印象~!
しかしいつまでたっても世代交代を迫られ続けてるなルパン。「ルパンはもう古い」ネタがもう古いんじゃないかな。

014:蜃気楼の女たち

毎食山盛りのそばでも気にならないレベルの食へのこだわりのなさなのに、日々料理うまくなってミートソースに目玉焼き載っけてパセリ散らしてた次元の向上心めちゃくちゃ偉くない!?
丁寧にタイミングを読みながら「何があった」って聞いてるのにルパンが相変わらずの意味深はぐらかしを、しかも最悪の形で(「わからねえだろうな…いくらお前でも…」)やりやがるので私の中のカリオストロ次元が激おこですよ!!わりと優しいPART6次元でさえ「埋めてくぞ」と言うレベルですが埋めるくらいでは足りない。踏み固めないと。五ェ門が次元に「手を貸そう」って言ってくれて本当によかった。ちなみに何があったかはその日の夜案外あっさり言います。さっき言いなよ!じゃあ!
「俺の相棒が外から狙ってるぜ」に完全に騙されて、メルセデスの一味と一緒に超びっくりしてたのが私です。次元、ルパンの真似うますぎる大賞受賞(PART5の第7話ぶりn回目)。「うまくやったかな?」の「かな?」の抜けが好き。
不二子が概念的魔女っ子になっててぎゃー!!と興奮の声を上げる。不二子をスタンド(JOJO)にするなんて贅沢すぎるぞルパン。心底うらやましい。

015:祝福の鐘に響けよ、銃声

古きよき次元女がらみ回。PART6履修前に大塚次元めあてにフライングで見たので再履です(1回目はこちら)。
冒頭、雨でアンニュイな次元をルパンが「髭面天使」って呼ぶんですけど真剣に意味がわからない、思えばPART5でアルベールが次元を突然「白馬の騎士」って言い出したときにも「髭面のナイト様たぁぞっとしねぇ」とかアッサリ言っててちゃんと否定しなかったんですよルパンは。どういうこと?相棒が何に見えてるの?
そういう話じゃないのはわかるんですけど、客観的に見て「道端で大怪我して死にかけていたところを助けてやった男」に2回も恋する医者はちょっと何かのフェティシズムがあるんじゃないだろうか。怪我萌えとか。
つい2話前ではパジャマの時ですらかぶってたのに、この回の次元は隙あらばばんばん帽子脱ぐし目元が見えます(たぶん目がテーマのひとつだから)。このキャラデザの次元、たいへんさっぱりしたイノセントな目(©️ラーメンズ)をしてますよね…なにそのきれいな目…と思っていたらラストでそのイノセントな目にガンガンカメラが寄ってくのでどうしようかと思いました(照れて)。恋愛回ですけど、過剰にべとっとしてないところがよかったと思います。
新郎はいい人なので「はっ!」と改心してくれたものの、視聴者的には次元にだけは恋愛系説教されたくないと思う。

016:サムライ・コレクション

五ェ門はなぜ海産物とばっかり戦ってるんですか!?(登場シーン感想)
待って!!!!!(再登場シーンで五ェ門が何の説明もなくランウェイの練習をしていたのを見た感想)
何なのこれ!?の連発過ぎて毎度止めて休憩していたら見終わるのに足掛け3日もかかりました(実話)。いやほんと全編にわたり何なのこれなんですけどギャビーはいい子だし五ェ門が終始「石川」って呼ばれてるのはすごい萌えました。けど。何なのこれ!?五ェ門先生は狭い室内で夜な夜な1000回ランウェイの練習したくらいじゃ倒れないだろ!!(そこ?)
とりあえず、男3人は自分を助けてくれた女子にいちいち義理堅すぎるのでもう女のそばでピンチになるのやめた方がいいと思います。
展開上一切必要のない褌チラリシーンがあって笑ってしまった。まじで何で次元回があれで五ェ門回がこれなの?

017:0.1秒に懸けろ

ワンティック、CMが日本の中小企業すぎるし、宣伝方法が渋谷向けすぎる。
ちょっっっタイミング合わせ用アプリの顔アイコンが可愛すぎるんですけど4人のうち誰が描いたんですか!?なにその不二子の口!?昔なつかしのflash動画にこういうキャラいなかった!?
予行演習シーン及び本番における次元の移動手段(台車に座って足で漕いで前方に移動)が腰に悪そう過ぎて心配。後ろ向きになって床を蹴る方が速くない?あとひとりだけゴール地点に不確定要素(回るファン)があって可哀想。
タイミングが合わないととにかくまず次元に文句つける不二子が素っぽくてかわいいな~仕返しで嫌み言われてふくれてるのもまたよき~とか思ってたら突然イチャイチャしだす(不二子が後ろから次元の帽子を脱がす)のでPART6の次元と不二子!!?やはり!!?と久しぶりにぎょっとしました。この、嫌みを言われてふくれる→両手で後ろから次元の帽子を取って自分の頭の上空に構える、という一連のカットの不二子が作画最高で超可愛い。次元の帽子を勝手に取るってものすごいことなんだぞ、少なくともPART4からは誰もしてないぞ(※THE FIRSTのルパンはやります)。私、冗談じゃなく、この話がルパンシリーズとか関係ない単発の映画か何かだとしたら、このふたりが付き合ってるか今後付き合うと思うよ…戻ってくるときも一緒だし…。
オマージュもとである新ル「華麗なるチームプレイ作戦」の一番面白いところって、練習シーンでメンバーがギスッてルパンが仲裁に明け暮れたり困り果てたりしてるところだと思うので、本作ルパンもニヒルに笑ってないであたふたしてくれたらよかったのにとちょっと思いました。PART6ルパンニヒルに笑いがちなんですよね~。もっとわちゃわちゃしてほしい~。
作画が比較的ゆるめの回だったんですけど、クライマックスのワンティック!ワンティック!のシーン(字で書くとなにそれ感が凄い)はすごいよかったしルパン三世見てる!!!って感じがして血が滾りました。こういうのがずっと見たかった!電波妨害でタイミングが合わせられない、と気付いたときに、全員取り乱さないで静かに状況を見ていたのが凄くグッときました。修羅場慣れを感じるというか、仕事人らしくて。

018:フェイクが嘘を呼ぶ 前篇

PART6の男3人アジト共同生活、食事当番とか水やり当番とかやたらちゃんと分担してて好感度高いですね…。
「ちょっと出掛けてくる~」と明らかに一人で外国に行くつもりのルパンに、行ったところで用事もないのにしっかりついてくる次元五ェ門が本当にいいやつらなのでルパンにはふたりのことをすごく大事にしてほしい。でも本当に一切話に絡まずそもそも行きの飛行機以外台詞すらなくそのまま帰国するので、それなら普通に置いてきてよかったと思います。どういうことなんですか脚本の人!!
令和ルパン、好きな女の子(マティアちゃん)にめろめろ~!おさわり~!ちゅ~!っていかないで普通に友情ベースみたいなすごく感じのいい関係の深め方するので、逆にすごいモテそう…。マティアちゃんはたぶん闇が深いんですけど、「食い逃げは嫌!」とか言ってるところはふつうにとてもかわいい。
トモエ先生は闇メリーポピンズみたいな感じなのだろうか。

019:フェイクが嘘を呼ぶ 後篇

まさかの八咫烏くんメイン回。PART6、銭形回すらないのに!?そしてそのやたくんが、すぐ切れて大声出したり人を殴ろうとしたりするので本気で警察官向いてなくてやばい。銭形警部、後輩教育頑張ってください…。
全体を通してものすごくカメラワークとかカット割が謎の回なんですが、唐突に、死ぬほど生々しい男女のもじもじしたベッドイン寸前駆け引きシーンが挟まるのでびっくりする。「峰不二子という女」はともかく、ルパン本編のエロってもっと洋服すぽーん!とか、すぐ脱ぐけど局部の形が♂♀!(原作)みたいなファンタジー路線だと思ってたのに…
ちなみに結果は未遂なんですが、それを受けた翌日の気まずさもすごいリアルです。要る?このリアルさ!?
あと本筋にぜんぜん関係ないんですが、回を追うごとに次元の話し方が軽く、力の抜けた感じになっていて、それがすごく…好きですね…。

020:二人の悪女

久々に登場の不二子がメインの回です!ひゃっほう!私はいつの間にこんなに不二子が好きになったんだろう。
不二子の「やあよ」が、何度出てきてもいちいちめちゃくちゃに刺さる…あと今回はお姉さんムーブを惜しみ無くやるので、それもまたとてもよかったです…。
それにしても「不二子の女友達に嫉妬するルパン」が新しすぎて凄かった。お前のその50年隣にいてナチュラルに三食一緒に食べてる相棒はなんなのよという話ですよ。
一ヶ所たぶんミスで不二子の目がアメリアの色になっちゃってるとこがあるんですけど、それがまあかわいい…不二子にはなんでも似合う…不二子とルパンが常に優秀かつアメリアも予想ほどめんどくさい子ではなくて、楽しくいい回でした。

021:うたかたの島へようこそ

妄想系少女ムルーちゃんにダンディを連呼される次元を見て、ひょっこりひょうたん島でダンディ大好きだったことを思い出しました……次元とダンディ、立ち位置もビジュアルもだいたい一緒だから……。
こちらブルームーン探偵社」で、実際はまだまだ犬猿の仲の主人公ペアに製作陣がキスさせたくて夢という設定で丸々1話パラレルストーリー撮ったっていうとんでもない回があるんですけど、つまりそんな感じの回です。ジゲフジとゴエフジを映像と音声で楽しめます。すごいぞ(発想と絵面が)。
ムルーちゃんを想像力豊かな少女だと思ってあたたかく見守っていたら、なんと想像と現実の境をわかっていないヤバい少女でした。とにかく彼女が本人たちに自らの妄想を開陳する後半が恥ずかしい(共感性羞恥)!公式に無許可でファンフィク送りつけるのはだめなやつだって言ってるでしょう!
Netflixの親切なところは、再生中に画面を閉じると次に開いたときには数秒前に戻してから再生してくれるところなので、恥ずかしさが限界突破してウィンドウを閉じるたびに微妙に巻き戻ってしまい全然恥ずかしいシーンが終わらないという地獄が発生しました。唯一の救いは、告白ショーをやりきったあとの3人が全然恥ずかしがってなかった(どころか拍手に応えていた)ところですね。これで照れてたら無理だった。あと見てた爺さんによる「ほんとにダンディじゃのう…」がツボにはまって笑ってしまった。ほんとにダンディだよね…わかる…。

022:私のママの記録

マリエルがスマホに語りかけるシーン、アリアンナと同じように録音しながら調査してるのかと思ったらまさかのライブ配信で「げ…現代っ子~!」と思いました。まだ一度も聞いていない実の母親の肉声テープをライブ配信して、突然とんでもないこと言い出したらどうするんだ(実際わりと言い出す)。
ルパンが相変わらずひとりでふいっと出掛けながらもわざわざどこにいくか図解していき仲間に追いかけさせる(現地では当然のような顔で合流する)という、めんどくさいカップルの片割れみたいなことをしています。PART6のルパンのこういうとこほんとにめんどくさいな!「こういう理由でここに行くのでついてきて」ってちゃんと言いなよ!しかもまた特に仕事がないので次元と五ェ門は車内でトランプをしているだけです(ただしこれはこれでかわいい)。どれだけトランプ好きなのこの人たち。
「まあ何かやることあるかもしれないからルパンを追いかけてやろう、でもたぶん暇だからトランプ持っていこう」ってしてるわけでしょ…ふたりで…素直すぎかつ甘やかしすぎでは…PART5五ェ門だったらぶち切れてるぞ…とてもかわいいけれども…。

023:愛しの魔女の記憶

催眠によるご乱心ルパンが車をひとりで乗り逃げしたとき、ああっその中には思い出のトランプが!と思ったらほんとに次の場面でアップで映ったので笑ってしまった。トランプ、精神世界に侵食するほどのキーアイテムなの!?
ほんとに私情で申し訳ないんですが、大塚次元が「俺はてめえの相棒だぞ。忘れる訳はねえよな」ってまっすぐ言うのが爆刺さりしました。これ、もしかすると、初の大塚次元によるルパンに対する「相棒」呼びでは…?違ったらすみません…
峰不二子という女」ですごく見たぞこういう催眠で出生の記憶改竄して闇落ちさせて行動を操る話。ていうか、お、同じじゃないか…?大丈夫…?オマージュ…?(スピンオフを…!?)
そして相変わらず「ルパンをひっぱたく」の一点では一瞬で意気投合する不二子と次元であった。脳力を下げろ!ハンマーで殴れ!10トンの!(参考
なんとか最終話では本当に全力で殴るなりルパンからの謝罪や感謝があるなりして、一味の思いやりがきちんと報われてほしい。ニヒル顔ルパンを引き立てるためのリアクション要員だったらどうしよう(ありそうで嫌)。
ところでルパンがまた撃たれました。PART4から通算何回目かもはやわかりません。「メインストーリーではルパンに怪我をさせる」っていう鉄の掟かなんかがあるの?
トモエ先生がきちんとおばあちゃんになっていたのはとてもよかったんですけどあまりにも作戦が迂遠過ぎるというか、別に人生ごと操らなくても何人かの魅力的な女性に頼んで伝言してもらえばよかったんじゃないかなと思います。電話とかで。

024:悪党が愛すもの

結論から言うとちゃんと不二子がルパンをぶん殴ったしまあまあ謝罪もありました!めでたい!素の不二子はグーパンなのに演技の時はビンタ(たぶん優しさ)だったんですけど、最終的には普通にグーでいこうとしてたのがよかったです。そういうところが好きだよ令和不二子。
あんなにシリーズ後半をミステリアスに牽引していたトモエ先生の底が驚くほど浅かった(ルパンを手に入れたい催眠術師、以上の要素が全くなかった)こととか全員部屋に棒立ちで喋ってるだけで話をまとめていく展開には、もうちょっとこう冒険活劇が見たかったなと正直思いました。「個性豊かで生き方が魅力的な奴ら」としてくくられた仲間たちのわりにはみんな聞き分けが良すぎるんですよ、もっとぶうぶう文句言ったり勝手に横から手を出したり切れて帰ったりしなよ!
少なくとも、ルパン三世が自分のアイデンティティを取り戻す過程で思い出すのは仲良し一味のトランプによる食事当番決めじゃなくて、みんなで協力したスリルに満ちた盗みの瞬間とかじゃ…ないのか…私は関係性オタクなので仲良し一味のトランプシーンとか大好きですけど…あとたぶん「人の作った食事を信じるな」という先生の教えと対比させてるんだとは思うんですけど…!まあ今期、全然お宝盗んでないから仕方ないんですが。何しろこのアニメは「ルパン三世」なんだからもうちょっと盗んでるところが見たかった、ワンティック回みたいな感じのやつ…。
ただ、ひとりずつ仲間たちがルパンの精神世界に侵食してくるところや、不二子が新ルオープニングオマージュのルージュの銃弾を撃つところはピュアに熱かったです。「俺が最後に信じる女は不二子だけ」ってめちゃくちゃいいルパフジ。不二子が裏切りの代名詞みたいな女だからなおさら。好き。
あと百万人思ったと思うんですけど(自分が思ったことを百万人が思ったと思うたちの悪いオタク)、終盤で次元が不二子にしゃらくせえとばかりに言う「ハーッ!」が物凄く次元大介っぽくて(ありていに言えばコバキヨ寄りで)、先代とそっくり同じにやってほしい!なんて全然思っていないんですが、なるべく似せたい、同じにやりたいと言っていた大塚さんのインタビューを思い出してぐっときました。凄いよ大塚明夫…。