月刊パラレログラム

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備忘録を兼ねて、映画の感想など。

大塚次元をようやく聞けて、情緒ががたがたになった日記

大体オリンピックくらいのペースでやってくるルパン三世の個人的大ブームがまたやってきたので、未視聴だったPART4・5やその他過去作品をじゃぶじゃぶ摂取しながら、その先に待っているPART6第1話からの、次元の声優交代にずっとおびえていました。
実際のところ、私は以前から交代は『あり』派で、だって新しいのと古いのを交互に見るとどうしても年齢は感じるし、不二子や五エ門の声優交代も、そしてもちろんクリカンルパンも物凄く好意的に受け止めているので(そもそも最初にルパンを好きになった時点でとっくにクリカンになってた訳ですが)、必要があれば次元の声が代わる選択肢だってある、もちろん今の声だって大好きだけど、久しぶりに若々しい次元になってもいいよね、と思っていました。ほんとに。しかも結構前から。寂しいけど、仕方ないよね、突き詰めればキャラクターと声は別だしね。みたいな。

でもじゃぶじゃぶシリーズを見て湯水のように聞けば聞くほど、浴びれば浴びるほど、次元が本当に、いい声で。全ての台詞に、夢のような抑揚と粋な揺れがついている。次回予告が次元の担当の時、「次元大介だ。」って最初に言うんですけど、この言い方だけで泣きそうになるくらい次元大介。じげン、だいすけだ。「ン」のあとが途切れて、「だ」のあとが心なしか長い。あの魅力を文字では表現できない。お時間があれば聞いてください。

結果、PART5の話数が進むほど、最後に待っている終わりの予感に苦しくなり、純粋に楽しめなくなるという不測の事態が発生。
いやでもこの先にあるのは本当は終わりじゃない、明るくて前向きで、素敵なことのはずなんだ、頑張ろう、いやもうごめん耐えられない先にそっちを見よう!!だって毎週オンエアしてるんだし!!この先に待ってるのが悲しいことじゃないって思わせてくれ!!

↑上記経緯(情緒の乱れ)により土曜日のPART6放送を見る決意を固めていたんですが、たまたま私用で見られないということが判明し、じゃあもう今見るしかないぞ、と木曜の夜に覚悟を決めました。

 

第1話はやっぱりPART5完走したあとにしっかり見たいし、複数話に跨るストーリー回を途中から見るのもなんだかなという感じだったので、単発っぽいタイトルの中から次元がサムネに出ている=確実に声が聞けるであろう話をチョイス。ちなみに第3話「大陸横断鉄道(嘘)の冒険」でした(超素敵なタイトル)。ところが再生してみたら全然次元が出てこない!アッやっと出てきた。
「さっさと着ろ」「おっ、来た来た」
二言!!短い!!わからない!!低いことはわかる!!ベルベットボイス!!
これはらちが明かない。確実に次元がいっぱい出てくる奴にしよう。第15話「祝福の鐘に響けよ、銃声」。サムネと説明文とタイトルで完璧にわかる、これは古き良き次元女がらみ回!
ちなみにこれはこれで落とし穴がありまして、のっけから雨をきっかけに次元が過去の女を思い出してふさぎ込んでいるので、全然しゃんしゃん喋らなかったんですけど!
悲しげにぽつぽつ喋る次元をはらはら…と見てたのもつかの間、その後の回想編で怪我を心配してくれた通りすがりの女性に「行け」と短く言う場面で私はそれをさらりと聞き流し、そのことに気づいてあとから超びっくりしました。もうこの声を、次元の声だと思ってるじゃないか。
大塚節というのか、スネークやバトーのような、体格のよさや精神的マッチョさ(?)みたいなものを思わせる感じが上手になくなっている感じがします、大塚次元。次元といえばこのくらいかな、と無意識に想定している声より低いんですけど、思えば初期の次元はこのくらいだったかもしれない。
他の台詞で言うと、「ここが犬どもの――ねぐらか」とか、よかったです。あの「ねぐらか」はとてもいい「ねぐらか」。すみません文字で読んでも意味がわからないと思うんですけど、ものすごく、寄せを感じる。物まねではないのに、声も違うのに、全力で従来の次元に寄せているし、ちゃんと寄っている。
ちなみにストーリー自体は前述のとおり古き良き次元女がらみ回そのものなんですけど、最後止め絵で終わったのが本当に古き良き表現過ぎて笑ってしまいました。好きだよ!こういうの!
こういう意図的な過去作リスペクト回だったことも、受け入れやすかった理由かもしれません。

 

見終わって、ぼうっとツイッターで「大塚次元」とかで検索して、おおむねみんな好意的なことを言っているのを見て、ああよかったなあ、などと思っていたら、たまたま新シリーズ放映開始の前に作られたと思しきルパン&次元のキャラクターPVがあったんです。で、それを見ました。

www.youtube.com

 

泣くよね~。泣きました~。昨日今日でこのPVを10回以上見ている~。

 

この「逆じゃねえかァ↑?」で、私の何かがアッサリ救われました。何故ならもうほんとに次元だったので。
ルパンじゃなくて新生次元のほうに「相棒、出番だぜ」って言わせるの、どういう神経をしてるんですか(いい意味で)?画面を流れていく字が、わりと陳腐なんですけど、刺さる。『あなたは相棒と呼べる仲間がいますか?俺にはいるぜ。』そうか…いるのか…よかった…いるんだね…

ルパン三世というコンテンツは作品ごとやシリーズごとに、というか何ならシリーズのなかの話ごとに全然設定も話自体のテイストも違ったりしていて、個々のキャラクター解釈なんてほぼ不可能なのに、あの帽子を目深にかぶった次元大介がどうしてこんなに好きなのかは自分でもわからないんですけど、でも私だけじゃなくてとんでもない数の人が50年も前から、あの派手な先祖がいるわけでもない文句たらたらのナンバー2が大好きで、別に彼を好きじゃない人でも、早撃ちガンマンと聞けば次元大介だとまるで当たり前のように思っていて、そういうキャラクターがあたたかく丁寧に手渡され、誠実に受け取られたであろうことが分かったので、情緒は依然としてめちゃくちゃですけど、もうそれで十分だと思いました。
残りの小林次元(小林次元、なんてわざわざ断る日が来たんですね)も、明るく楽しく見られそうに思います。

 

 

言うてトレイラー+すでに18話もやってるPART6をたった1話しか見ていない人のコメントなんですが、ここまで情緒乱れたら記録しておくべきだろうと思い、書きました。こんなの笑い話になるくらい、今後もどんどん馴染みまくっていくんでしょうね!
ちなみに一夜明けた今日はコバキヨさんが次元引退に際して出した死ぬほど粋なコメントとか大塚さんの先代リスペクトに溢れたインタビューとかわざわざ読んで、より一層情緒を乱しています。大塚次元の小池ルパン早く見たいな~!!