月刊パラレログラム

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備忘録を兼ねて、映画の感想など。

「グッド・ウィル・ハンティング」のランボー教授に感情移入してしまう話

※「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(1997)のネタバレが多分にあります。
※以下、ジェラルド・ランボー教授を「教授」、ショーン・マグワイア先生を「先生」と表記しています。

私はめちゃくちゃつまんない大人なので、ウィルに対して「もっと教授にも!心を返してあげなよ!」と思ったんですよ。いやわかります、先生の方が明らかにウィルの気持ちを大事にするし、諦めないし忍耐強いし話し方がとても誠実、でも君を見つけたのは教授だし頭を撫でたのも教授だし教授だって諦めなかったし君に弱さも見せたじゃん!?「教授に聞かれたらこう答えてねメモ」1枚だけじゃなくてさ~もっとフォローしてあげても良くない!?
すみません私はいつも当て馬に感情移入する人間なんです。いい映画だと思います。リンゴの下りは許さねえからなと思いましたけど(女性をなんだと思ってるんだよ)彼女のキャラクター造形が凄かったな。「今ここでキスする?」って話をしてるときのオッホホホ…みたいな全然可愛くない笑い方超可愛くなかったですか…?

私がこの映画で気に入ったのは教授と先生の関係性で、先生が言っていた「家族とは違う親友」って、結局ウィルには登場しない(強いていうなら先生なのかな)(でも終盤の先生は『息子』を連呼してたからなあ)けれど、つまり先生にとっての教授のことですよね。
あの喧嘩のシーンが一番好きです。何が好きってどっちも正しくない。安易にあのシーンを書くとすれば、あそこでは先生が正しくあると思う。「自分は幸せだ」とか「私を哀れむ君の態度が嫌だ」とか言い放って、教授がショックを受けた顔をする。そこには誠実で正しい人間と傲慢で正しくない人間がいる。とてもわかりやすい。
でもこの喧嘩はそういうものではない。教授は「メダルなんか要らない」とせせら笑うし、どっちも一歩も引かずにいい年の大人が怒鳴りあい、しかも大して時間も空けずにちゃんともう一度同じ場に訪ねてきて目線で謝罪し合って微笑みあって酒飲みに行くわけですよ。素晴らしいな。

ウィルというかマット・デイモンについては、物憂げに伏し目がちになったとき、本当にまつげと目の色が美しくて驚きました、オリバー・ツイストの話をしているときとか…
まあマット・デイモンに限らず、そもそも私は本当に人の顔が覚えられないので、教授が出てきたとき「ロビンウィリアムスって昔シュッとしてたんだな~」って思いながら見てました。そのあとすごいチャーミングなジーニーの声の人出てきて「こっちだわ…」ってなりました。ていうか教授、ブーツストラップビルじゃないですか…ヒトデついてないから気付きませんでした…
ベンアフレック、超顔ちっちゃいな。ラストの彼のシーンの演技と、尺の長さがとても良かった。

友達連中はモーガンにもっと優しくしてやってください。
あとウィルは引っ越し先から教授に手紙書けよ!約束だぞ!