月刊パラレログラム

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備忘録を兼ねて、映画の感想など。

ルパン三世PART4及び小池作品(『墓標』~『嘘』)の感想を書く

※各話のネタバレがあります。

放映時に途中までしか見ていなかったPART4をふとさらい始めたら止まらなくなって4日で全部見た+ついでに小池ルパンも全部見たので、ながら書きした各話感想です。次元の話が多いです(好きなので)。
※覚え書き代わりなので盛大にネタバレしています。とはいえ、そのわりには本当に言いたいことしか言っていないので筋の話とかしていません。
※文中の「旧ル」は1stシーズン(ルパンが緑のジャケット)、「新ル」は2ndシーズン(ルパンが赤のジャケット)を指します。

ルパン三世 PART4

001:ルパン三世の結婚

何はさておきオープニングが最高。ルパン三世のPVとして完璧。このシリーズ、全員のキャラデザとカラーリングがすごくよくて本当にびっくりしますよね…特に五エ門をサーモンピンクにした人が天才だと思います…ルパンの青ジャケと次元の白ネクタイと不二子ちゃんの髪色ととっつぁんのコートも…(つまり全部…)。
「ミセスルパン」という単語の語感とキャッチーさがもうそれだけで大勝利、「ルパン三世の結婚」というテーマと共にこのシリーズへの期待を増していく。ところでイタリアの結婚式でもご祝儀ってあるんですか?

002:偽りのファンタジスタ

序盤に映るサッカーの試合のあまりの動きの悪さに、このクオリティの作画で全編見るのしんどいな!?とびびったもののその後持ち直し、後半の「何の恨みもござんせんが…」のあたりの「喋りながら前を走る車のタイヤを狙って腕の角度を微調整する画」に至っては思わず巻き戻して見直してしまう良さでした。
ルパンがトイレに立ったせいで、突然不二子と次元のデートパパラッチみたいなカットがあってたじろぐ。あとこのトイレタイムのおかげでルパンがハンカチくわえながら手を洗うタイプの人だということが分かります。紳士じゃん…

003:生存率0.2%

この話、次元の十字架貼り付け拷問シーンがあるんですが、これをどうとらえたらいいのかが全くわからない。ルパンが元気に乱闘している背後に神々しいライティングで延々と映っていて死ぬほど気になる。単に拘束するならもっと椅子とかでよかったんじゃないかな?あとカットによってシャツの前が開いたり閉じたりするの気になるからやめてください(水攻め&足からの感電拷問で前開ける必要あるかな!?)

004:我が手に拳銃を

次元が虫歯が痛くて痛み止めを貰いに行く回。いや感電拷問耐えられるなら虫歯も治しなよ!
パート4、時流に反して(?)次元の髪形がオールバックじゃなくて前髪ありなんですが、これはこれで可愛いのでありです。つむじにヘタがある。
全体的には、「そうやって撃ったらそりゃそうなるわ」という話です(としか言いようがないので見てほしい)。次元が拳銃を受け取るときにくるくる~とするのがよかった。私は武豊(ジョッキー)が馬上で鞭をくるくるするのも大好きです。何の話?
1話に比べて銭形のIQが急激に上昇している。

005:魔法使いの左手

作画が!!いい!!
サーカスを回りながら話を聞いて真相が明らかになっていく話、凄いワクワクしますね…逆転裁判2の第3話みたいで…(限定的な例え)。あと背景で虎をかまう次元、可愛かったですね…
不二子とひまわりっていう組み合わせの意外性がいいな~、回想に入るときの演出もいちいちいいな~。この話で好きだなと思ったところのほとんどが台詞以外の部分(画面の演出や背景の小ネタ)だったので、アニメって多重的な表現だな~と改めて思いました。
最後のあたり、ルパンと次元が何の必然性もなく地上二階(以上)のビルの屋上から道路に飛び降りて普通に話し始めるの笑う。足腰が強すぎる。潜むなら物陰とかでいいと思うんだけど!

006:満月が過ぎるまで

とっつぁん回。
エレナの生え際もうちょっとなんとかなりませんでしたか…?あまりにもまっすぐでは…?
他の誰も知らないという設定の死んだ大富豪の隠し財産が輪切りのパイナップルみたいな並べ方で積まれた大量の金塊なわけですが、あれ積むのに作業員絶対100人くらいいるから秘密にできないでしょ…と思いました。

007:ザッピング・オペレーション

少女ブリジットにすごい勢いで押しまくられて、たじたじしながら「だったらってェ…」っていうルパンがかわいい。
ニクスさん、いきなり実の娘がいる方向をガンガン撃つのはダメだと思う。そもそも切れやすい時点でMI6にちょっと向いてないと思う。
ところでイタリアってお金に字書いていいんですか?

008:ホーンテッドホテルへようこそ

作画がいい…たまに神々しいまでの神カットがある…。

おばけにビビる次元がコバキヨボイスで「うわーう!」とか「うわぉう!」とか独特に叫ぶのが非常に良いですね。
カーラだけ画風が別アニメ。明らかにジブリ風のお姉ちゃんとも違う。敵キャラの設定・性格もわりとジブリみが強い。宮崎ルパンを意識しているのかもしれない。城だし。
パート4はルパンと次元の仲良し珍道中を延々見られて楽しいなあ。

009:殺し屋たちの鎮魂歌

いやルパンと次元の仲良し珍道中は・・・・いいんだけど五ェ門何やってるの?と思っていたらちょうど五ェ門回でした。
タランティーノ映画くらいひとが死にます!ベラドンナ作画コスト低そう。最後の最後で身体能力のリアリティラインがバグる。このアニメにおける銭形の立ち位置がわからない!

010:恋煩いのブタ

不二子とレベッカに(惚れ薬の作用とはいえ)モテてるのに、ばか野郎~目を覚ませよな~!としかならないルパンいいなあと思いました。対等な関係性の描写が好きなんだと思います。だから最後の「アホなふりしてたんですよ…」というような感じのひとりごとの方は特にきゅんとしないのであった。ワインの名前「恋煩いのブタ」が凄くいい。

011:イタリアの夢 前編

不二子が電話で言う「やあよ」、超よくないですか…「やあよ」…
次元十字架事件から思ってましたけどこのアニメ拷問の扱いが軽くない?助けられたときにすぐに元気いっぱいになりすぎじゃない?あとそろそろMI6(本物)は怒りませんか?

012:イタリアの夢 後編

本シリーズは新ルと旧ルとときどきカリオストロをいったりきたりするテイストなのかな~と思いきや、急にごりごりの複製人間リスペクト回でした。いろんなテイストをカバーしているのは全方位のファンへの気遣いというか目配せなのだと思いますが(今回も堂々たる旧ルリスペクトシーンがあるし)、こっちはホーンテッドホテルからの温度差で風邪引きそうです(一気見するせいです)。
次元と不二子が仲良く賭け始めたりするのでどうしようかと思いました。どんどんきれいなルパン(きれいなジャイアンと同じ意)になるんですけどコウに侵食されてるんでしょうか。怖すぎる。私たちのルパンからコウを抜いて!ニクスはコウモリなんだかネズミなんだかはっきりして!

013:ルパン三世の最期

すっかりコウが抜けてる!よかった~!と喜んでたら新アイキャッチが旧ルファン狙い撃ちすぎてキー!!好き!!となりました。次元と五エ門ver.もあればいいのに。
トリックには普通に感心してしまいました…なるほど…イタリア編っぽい…。

014:モナリザを動かすな

ありとあらゆる泥棒ものフィクションを見ているときに発生する感想「一切動かさなければいいのでは」を解消するとてもいい話でした。タイトルもよい。
仮面ルパンの早撃ちめっっっちゃかっこよくないですか!?早撃ちだと感覚でわかる、腰で撃つ早撃ち…思えば今まであんまりルパンのアニメで「早撃ちだ~!」って実感できたことがなかった気がする…対決シーンだとむしろスローモーションになったりするし…
全体的に次元ちゃんが楽しそうにしてるので花丸です。おあつらえ向きだ→一丁あがり、のところとか。
そもそもパート4の次元ってエモ成分(暗い過去など)を全く背負わされてなくて、やたら付き合いのいい気のいいガンマンって感じで凄く友達になりたいタイプですね!五ェ門の方がまだしっとりしてたわ!

015:ハイスクール潜入大作戦

地味なシーンですが、次元の「ったく笑」に仕方ねえな感が沁みていてよかったです。
「ルパン!?風の噂で聞いたことがある」とか言われてるんですけどこの世界でルパン三世って風の噂レベルのひとなんですか!?嘘でしょ!?
全体的にキャラクターのIQが3くらいしかない話でしたね!

016:ルパンの休日

車で日本酒飲みに行くんですか!?と思ったんですがそもそも泥棒の一味にそんなことを言ってもしょうがないのであった。
動物見るととりあえず指出す次元(5話以来)…きゅるきゅるの小型犬と五ェ門…好き…五ェ門は大体赤面している…精神の修業が全然足りてなさそうでかわいい…
3人が適度に仲良くなくて、凄くよかったです。「仲良しクラブじゃない」発言に「仲良しクラブじゃなかったの!?」とは思いましたが…少なくともパート4のルパンと次元は四六時中つるんでるようにしか見えない…おしゃれレストランでピザシェアしてたじゃん…
花火見てる五ェ門で、今シリーズ一番笑いました。

017:皆殺しのマリオネット

舌の根も乾かぬうちの仲良しクラブ回。
牡蠣でお腹壊しているときに最も閉じ込められたくない感じの場所(出口のない地下室)に閉じ込められてましたが、トイレとか大丈夫だったんでしょうか。そもそも何で次元と不二子はふたりで牡蠣食べてたんでしょうか。仲いいの?
しゃがんでいる次元の背中から始まる一連の次元VS五エ門シーン、大変よかったですね!しかしこのアニメ、(主にニクスの)戦闘シーンのたびに突然作画のテイスト変わるんですけど何でなんですか?
「ダイエット中」の説明をしている次元を見ている止め絵のルパンの顔が面白すぎて、笑いの記録が更新されました。

018:始まりの晩餐

レオナルド・ダ・ヴィンチ、生前遅筆だったのに物凄くがんばってるじゃない…と思うなど。画材の進化かもしれない。
メインストーリー回が苦痛ということに気付き始めてしまいました。まずい。ずっと寄り道していたい。

019:龍は静かに眠る

ニクスに心底興味ないことに気付きとてもまずい。でももうひとりの準レギュラーレベッカはともかく、思い込みですぐ怒鳴りつけてくる切れやすいおじさんに興味湧かなくないですか?ごめんニクス!家庭的な面は凄くいいと思う!

020:もう一度、君の歌声

電話が鳴った時に「お出になったら?」とさらりと言える不二子ちゃん、品の良さがすごい。
独特の作画&テンポの回で、変わってるな~と思っていたはずなのに最後にはうっかり感動してしまいました…

021:日本より愛をこめて

ホームズとグレコ(17話)、顔一緒じゃないですか!?予告を観てグレコが復讐しにきたんだと思ってたら全然違いました。キャラクター識別能力が低い。
・ルパンは不二子一筋なんて忘れたと言い、ナンパに行く気まんまんで世界の恋人を自称
・銭形が不二子を「ルパンの惚れた女」と称する
・不二子がルパンを助けに行く理由は明示されない
・この話でルパンに明確に「愛してるぜ~!」って言われるのは次元であって不二子ではない
こういう一言で言えない関係性が保たれているのがすごく、すごく絶妙…
あと五ェ門(仮)と仲良く飲んでる回想の不二子が文句なしに可愛い。

022:ルパン、頂きに参ります

ルパン~!!小娘を相手にしないルパンの大人ムーブが刺さる!しかし何歳なんだレベッカ。酒も煙草もいける年ならもう少し意見を尊重されてもいいんじゃないかなとも思いましたが、精神年齢がルパンには幼いとかなんですかね。不二子が強すぎるだけなのでは…?
不二子の絶妙なちょっかい加減がいい。このシリーズのルパンと不二子の関係性の解釈、めちゃくちゃ私と合っていてすごく嬉しい。
次元の貴重な絵心シーンあり。相棒のことそういう感じで見えてるの…?虫かと思った…

023:世界解剖 前編

レベッカは「イエベ春に似合う口紅選び対決」とかしとけばよかったんじゃないかな。

024:世界解剖 後編

一味のみんなは合格&起床していたはずなので、ルパンの機械操作で再入眠したんだと思いますが、そうするとダ・ヴィンチなしでルパンしかいない夢を見たんじゃないでしょうか。シュール。
最終話にして突然昭和のエロ(胸に顔面から飛び込むラッキースケベ)が出てきて何事かと思いました。あと、今まで数々の作品で死ぬほど観てきた「フィアットの上の窓から後方撃ち」のとき、まさかあんながっつり助手席の人の肩に座ってると思わなかったな!面白!

025:ヴェニス・オブ・ザ・デッド

番外編その1。女に塩対応のルパンが相変わらず刺さる…!
紋付きで映画見に来る五ェ門が最高やなと思いました。

026:ノンストップランデブー

番外編その2。のっけから『墓標』の名台詞「ロマンに欠けるな」を安売りする次元。
銭形マーチがかかると無条件にテンションが上がってしまう。物凄く好きな感じのコメディカル仲良しルパン&銭形回だったんですけど、銭形のキャラといい女性ボーカルで〆るところといい物凄くテレスペ(東京クライシスとか)っぽい話でしたね!最後までキャラぶれし続ける銭形!

 

以下は小池ルパンです。

次元大介の墓標

3回目だな~と思いながら観始めましたが、冷静に考えたら多分4回目か5回目でした。
モンキー・パンチ先生の原作絵がとても好きな人間として『峰不二子という女』が始まった時には「奇跡…?」と思ったものでしたが、『墓標』の制作が発表された時には嬉しすぎて本当にどういう奇跡なんだと思いました。
(そして仕事帰りにTOHOシネマ新宿のレイトショーにほくほく行き、次元死にっぱなしでエンドロール始まったときに「嘘だろ…?」と思った)(本作は前後編がエンドロールを挟んで連続上映される大変紛らわしい仕様です)
ウーン何度見ても好きすぎて冷静な評価ができない!とにかく絵がいい!あと仲良くないバディがしぶしぶつるんでる様を見るのがとても好き!
不二子見世物シーンは性癖の開陳が直接的過ぎるというか何なんこれと今でも思っていますが…
やっぱり真の早撃ちは腰で撃つんですよ!次元はいつも余裕こいて物凄く真正面で撃つが!
あと視聴4回目か5回目にして、「ロゴが凄い同人誌っぽいな」と思いました。
DVDBOX買うと、設定資料集と原画がしこたまついてきて最高なのでおすすめです。

『血煙の石川五エ門

予想の10倍グロいなます切りムービーでした。びっくりした!これは映画でしかできない!
こんなに人間の断面見るのジョジョ以来では。今敏監督作品みたいな雰囲気でした。スーツのおじさんがいっぱい出てくるからだろうか。
墓標で「俺たちはビジネスパートナーだ…」とか言ってた次元があまりにもルパンにオープンマインドしてるのでこれ2年くらいたってるの?と思って調べたら監督が「1か月後」って言ってました。急になつきすぎだろ!
ルパンと次元が景気よく大怪我しながらうわー!わー!がんばれごえもーん!ってなってるの可愛かったですね…愛でる暇もないくらいグロかったけど…。あと男のロマンを「馬鹿」のひとことで片付ける不二子がとてもよかったです。

峰不二子の嘘』

不二子と子供の組み合わせである+母性をフィーチャーしたみたいな話を公開時の宣伝でしていた気がして若干敬遠していたんですが、見てみたら全然母性推しじゃなくてよかった。このルパンと不二子の感じ(特にラスト付近)はとてもいいなあ。しかし相変わらず小池監督の不二子は色仕掛け描写が直截的だな…
作品を重ねるにつれてみんな仲良くなってきてしまったので、この小池ルパンシリーズ(LUPIN THE IIIRD)とテレビシリーズ(旧ルあたり)との差異がだんだんなくなってきていると思うんですが、『墓標』のラスト的にやっぱり最終的には複製人間に接続するんでしょうか。
かつて偽カラミティファイルに「ネクラ」と書かれていたとは思えないくらい次元が楽しそうにしています。子供に銃を見せびらかすんじゃない。あと終盤でまたしても私の大好きなスローモーションなしの腰位置の早撃ちが見られます。他に見られるルパン作品があったら教えてください。